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【コラム】制服カルチャーとAKB

AKB48の代名詞となっている制服。

前回アップしたスタイリストしのぶさんのインタビューにもあったように、
AKBが衣裳にかける思いは強い。
http://tokyo48.blog.fc2.com/blog-entry-59.html


AKBのファッションは「トラッド」の系譜に入る。

もともとイギリスの軍隊から派生した伝統的な軍服スタイルが、
アメリカ東海岸のアイビーリーグの学生たちに好まれ合理的に発展したものが、
いわゆる「トラッド」ファッションだ。

その伝統的スタイルがアメリカのコンサバディブなエリート層に好まれた。
日本の学生服ももともとは西欧の軍服からきているので、
源流は同じである。
ブレザー、ボタンダウンシャツ、ポロシャツ、ローファーなどは、
トラッドファッションの代表的なものだ。
女子の学生服はしだいにスカートをタータンチェックなど派手なものにするなど、
カジュアルな傾向が強くなってきた。

『ヘビーローテーション』のPVでは、
http://www.youtube.com/watch?v=lkHlnWFnA0c

2010年に流行したナポレオンジャケットを着て踊るシーンが見られる。
真っ黒なダブルのブレザー(フロックコート)に金色ボタンという、
世界中の海軍が採用している重厚な印象のジャケットだが、
下半身はカラフルなプリーツスカートという可愛らしい配色でシックになりすぎないよう工夫されている。
スタイリストの技量の高さがわかる。

『大音ダイヤモンド』では、
http://www.youtube.com/user/AKB48#p/c/72C7672926C69324/7/F32epua9VQs

金ボタンのブレザーに、大きな左胸のエンブレム、ターターンチェックのスカート。
いまの高校生が身につける制服をデコレーションした造形になっている。
女子高生らしい「明るく元気」な側面と、勤勉さや仲間の協力といった「規律」が
うまくブレンドされている。

どちらの衣裳にも共通しているのは、
上半身はシックで「正当派」
ボトムスは派手にカジュアルという、
トラッドのルールをきちんと踏襲しているところだ。

ユナイテッドアローズ顧問の栗原氏によれば
「地味でストイックな世界観に派手なものが入ってくると、お互いをひきたてあう」
というドラッドの法則によるもので、
トラッドには「シックになりすぎない」という着こなしのルールがある。
シックすぎれば「滅私」で「没個性的」なただの制服になってしまう。
華やかでカジュアルな側面をもたせ、
さらに各メンバー一人一人にの個性にあわせてデザインを微妙に変化させることで、
集団としての力を維持しながら、
メンバー各々の特徴をひきだして輝かせることができる。


雑誌『Numero TOKYO 41』NOVEMBER 2010(扶桑社)は
「ニュートラ新時代」を掲げ、
ファッションが新たなトラッドの時代に入ったことを高らかに宣言する。

ネイビー色の軍服から派生したことからも分かるように、
トラッドは「禁欲的」なファッションだ。
「女にモテるための服装」というよりも、
男だけの世界で生きる男のためのファッションといってもいい。
すべての制服(看護婦、キャビンアテンダントなど)は
なによりも「機能性」を重視し、当然ながら「異性の目」を意識して造形されているわけではない。
トラッドは禁欲的、伝統的、正当的なファッションなのだ。


脱線するが、
禁欲的なはずの制服が現代においてこれだけフェティッシュの対象になっている逆説は興味深い。
その本質はおそらく制服が、
その衣服の下には「秘するに値する」だけのものがあるという幻想を生むことにあるのではないか。
これを突き詰めていくと「セーラー服を脱がさないで」に回帰する気がする
また機会があれば書くことにしよう。

さて、
現代女性の「トラッド回帰」を予感する栗野氏は、
2004年頃を境に「イージーなセックスの安売りの時代」が終わったことを指摘したうえで、
女性たちが「男を意識したファッション」(モテ服)を脱却し、
自分にとって心地いいセクシーな表現がでてくる可能性を示唆する。


AKBは夢に向かって努力する女の子のグループだということだ。
たびたび秋元さん、戸賀崎さんが比喩に出すように
AKBは甲子園を目指す高校球児でもある。
真っ白なユニフォームに身を包んで目標に向かって一生懸命に頑張る姿に、
ボクたちは心を打たれるのだ。
高校球児たちは女の子にモテるために野球をやっているのではない(と思う)
結果的にモテることはあるだろうが、
時間を削ってストイックに練習に打ち込んだり、
甲子園をめざして仲間と助け合う姿に自然と人は惹き付けられるのだ。
そしてユニフォームは彼らを没個性的にするどころか、
プレイによって、つまり各々の選手が能力を発揮することによって、
個人はひときわ輝く。

AKBはストイックでひたむき部分と、
女の子らしい可愛い部分がうまく配合されている。

さらにマスメディアには制服を基調としたトラッドを志向しておきながら、
劇場公演においては「キャンディ」や「天使のしっぽ」のようなフリルのついた女の子らしい衣裳や、
「黒い天使」「MARIA」のようなゴシック系の衣裳、
「16人姉妹の歌」「天国野郎」みたいなコスプレパーティ系と、
実に多様でバラエティに富んでいる。
多彩なメンバーの個性にあわせた楽曲と衣裳が組み合わさることで、
可能性が無限に広がっていくのがAKBで、
そういうAKBであり続けてほしいと思う。


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