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『web進化論』

福祉国家について最近よく考えてます。

ホリエモンと哲学者萱野氏による『kotoba 2011年 01月号』のベーシックインカムの議論がおもしろかった。

これまでの年金、医療などの保証をすべて廃止し、国民一律に「生きるために最低限のお金」を配るというもの。7万から8万くらいを毎月、赤ん坊からお年寄りまで平等に配る。テクノロジーの発達、途上国への工場の移転をかんがえれば先進国で仕事がなくなっていくのは当然のことで、労働力の安い途上国にどんどん企業を移転させて国内が空洞化するのも避けられないこと。だとしたら無理に労働を「発掘」する必要はなくて、ベーシックインカムを導入して「働きたいやつだけ働く」環境を生み出す。もう少し収入がほしければこんどは「最低賃金」に縛られない収入や、ネットの広告収入に頼ればいい。ホリエモンは一貫してこの理論に賛成。国民の税金を、厚生省など公務員の膨大な中間搾取を省いて行き渡らせることができる。

なによりも画期的なのは「働きたくなければ働くなくていい」という新しい概念。まるで古代ギリシアの自由市民のような発想だが、労働が「美徳」だというプロテスタント的なイデオロギー(つまり資本主義の基礎理念)に一石投じる話だとおもう。なによりも現代の非正規雇用、失業問題を考えれば「最低限の保証」すらされていない若者のにとっては天恵だろう。

ベーシックインカムは少々強引だが、新しい形の福祉はこれから必要になってくる。

最近読んだ梅田望夫さんの『ウェブ進化論』少しまえのベストセラーだったが、ブックオフで100円だったので購入。グーグルの登場でほんとうに世界が変わっていくんだと実感。

特に面白かったのはグーグル広告AdSenseによる富の再分配の話。ネットインフラが整備されれば、世界中のだれもがほとんど無料でウェブサイトを作成できるようになる。AdSenseの広告主はオークションで広告費を出すので、従来の広告代理店にたよらない低価格で、企業は広告がだせる。しかもネット広告の費用対効果はテレビの25倍。

つまり莫大な中間搾取によって肥えた「マスメディア」と「広告業界」をまったく介さず、「広告掲載者」と「広告主」がダイレクトにつながることで、これまでのテレビや新聞よりもはるかに安い値段で、しかも効率よく広告が打てるようになるということ。これはWin-to-Winの、つまり両者どちらにとってもメリットとなる考えだ。

では、なぜ「富の再分配」になるのか。

いままでは、ごくわずかな表現者だけが発言権を握っていた。たとえば日本で、発言する機会をもっている人はごく限られた一部のクリーエター層だった。梅田さんの表現をつかえば「10メートルの高さのビルの、いちばんうえの1ミリの層」ほどの人にだけあたえられた特権だった。むかし「クラスで一番面白かった奴」や「すごく頭のきれる先輩」はどこにいったのかというと、圧倒的なサイレント層に取り込まれてしまった。

ネット技術は、この一部のクリエーター層と、99.99%の受け手の間に新しいックリエイティブな層を生み出す。特権的なクリーエター集団に入るほとではないが、そのへんの一般人よりもはるかに「面白い」中間層。1億とはいかなくても、100万人や1000万人の層にむけたメディアがネットであり、そこにこそ未来がある。

グーグルAdSenseは英語圏に広がる。ネットには地域という概念が存在しない。そして広告主のほとんどは先進国にある。つまり、現実世界での経済格差がネット世界において解消されるので、先進国からの広告収益がそのまま途上国の広告掲載者に流れ込む。先進国にとっては微々たるものでも、彼らにとっては生活費以上のものになる。

これは「国家」という概念をこえて遍く富みを巡らせる素晴らしい考えだとおもう。

ただ、当然のことながらこれまで栄華を誇ってきた旧来的な企業は益々衰退していく。

『グーグルが日本を破壊する』も併せて読んでみたが、法外な広告費を請求する「広告代理店」や「テレビ業界」は今後、広告費を集められずに苦労することになる。広告費が集まらないとテレビ、新聞の内容は益々劣化する。大企業だけを広告主にしてきた「恐竜の首」企業が滅び(なくなるわけではない)中小企業と個人がダイレクトにどこまでも繋がっていく「ロングテール(長いしっぽ)」が主流になる。

両者の言い分は一致していて、つまりグーグルによって「世界がかわる」

今読んでるジャックアタリの『21世紀の歴史』に書いてあるように、将来的には「国家」の力が弱体化して「市場」が民主主義にとってかわる「超帝国」の時代が訪れる。民営化されたグローバルな「保険会社」がこれまで国家が担ってきた医療、教育、福祉サービスを提供し、人々は「遊牧民」となって世界をわたりあるく世界。

グーグルを見ていると決して夢物語ではないと思った。






参考文献


kotoba (コトバ) 2011年 01月号 [雑誌]


ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)


グーグルが日本を破壊する (PHP新書 518)


21世紀の歴史――未来の人類から見た世界

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No title

うーん、メディアや広告は中間搾取でGoogleは中間搾取じゃない理由が見当たらないように感じました。

ウェブ進化論からかなりたって状況はかなり変わってきているように思います。玉石混交のコンテンツから玉を見つけてくる仕組みに限界が来ています。Googleがスパマーに負けつつつあるという話はいつでも聞きますし、pixivやニコ動のようなUGCではすばらしいものを作ってもある程度視聴者におもねらなければ人の目には触れないのではないでしょうか。UGCやCGM(ブログ含む)ではニーズや視聴者に見てもらうための仕組みが非常に重要視され、それがためにイノベーションのジレンマを超えられない状況にあるように思います。

一部のクリエイターが特権をもって自分の価値を大衆にプッシュするというモデルのほうが、まったく新しい価値を創れるとしたら、ウェブの世界と旧メディアのすみわけが可能かもしれません。

dear K

コメントありがとうございます。

『発掘あるある大辞典』の納豆ダイエト事件っていうのがあったんです。広告主から番組制作費3200万円もらって、孫請けの制作会社「アジト」が860万円で番組を制作していたことがわかっりました。つまり広告主からすれば3200万払って860万の商品を売りつけられたことになります。これはどう見ても中間搾取ではないでしょうか。これには日本テレビ局は寡占的な性格によって釣り上げられたCMの費用と、そこに介入する広告代理店、そして下請けの下請け会社が作るという多層構造によって成立しています。その点、グーグルのネット広告は広告主同士がオークションで広告費を決めるから中間搾取は名目上ありません。これまで大企業しかだせなかった高額な広告費を要求されないので、中小企業や個人でも広告がだせるというメリットがあります。

グーグルの検索能力にもやはり限界があるでしょう。mixiのように登録制のサイトにどうやって介入するかという問題もあります。

最近は音楽会社を介さないで自作で音楽CDを作ってファンに売っているアーティストもいます。しかし、それはある程度の知名度があってこそできることです。「ある程度の知名度」のためにはやはりテレビというのは重要なメディアでしょう。

いくらネットが発達してもテレビ自体がなくなることはないと思います。「一方的」で「一斉」に「リアルタイム」で国民にアクセスできるテレビの存在はまだまだ重要なので、旧メディアとウェブ世界のすみわけになるでしょう。ただ、アメリカではテレビ、新聞広告においてもすでに広告代理店を介さないグーグルの広告モデルが採用されつつあります。

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