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【マンガ】押見修造『惡の花』感想

惡の華(1) (少年マガジンKC)       惡の華(3) (少年マガジンコミックス)      惡の華(2) (少年マガジンコミックス)



押見修造『惡の華』の感想です。


ボードレールを愛する少年「春日」と、彼が密かに思いをよせる美少女「佐伯さん」、そして春日の弱みを握り契約をかわす「仲村さん」の三人が織りなす恋物語。

すべてのきっかけは春日が不意に佐伯さんの体操着を盗んでしまうことから始まる。それを見ていた仲村さんは春日を「変態クソムシ野郎」とののしり、支配下におく。仲村さんの言いなりになりつつも、佐伯さんとは「惡の花」をきっかけにしだいに親密になり、ピュアな恋愛関係へと発展していく。仲村さんは春日の「変態」を覚醒させるため、デート中も盗んだ体操着を服の下に身につけるよう命令する。

なんといっても春日を「クソカス野郎」と罵り追いつめていく仲村さんがたまらない。純粋で汚れなき聖なる存在としての佐伯さんが、実は「春日とせっくすしたいらしい」と言ってたと耳打ちする仲村さんは、春日の処女幻想を動揺させつつ新しい快楽幻想へと導いていく。

春日はすでに自分のなかの「変態」に気づきながらも、クラスや家庭からの抑圧のために、それを認めることができない。好きな女の子の体育着をぬすみ、しかもそれを着てしまうような男を佐伯さんが絶対に好きになるわけがない。しかし一方では、そんなくだらない価値観に縛られた学校や町の人間に嫌気がさしている。

あるとき春日の「変態」を知ってしまった佐伯さんは、それでも春日のことを受け入れる。しかし「正常」なはずの佐伯さんまでが自分の「変態」を受け入れることで、春日の秩序はいよいよ不安定なものとなる。佐伯さんの春日に対する愛はしだいに狂気がかってきて、もはや「普通」恋愛には戻れないようにも見える。

そんなとき仲村さんは、春日をつれて「くだらない」この町の外へでようと言い出す。仲村さんを後ろにのせて自転車をこぐ春日はうんざりしながらも、学校にも生活にも嫌気がさしている自分に気づく。仲村さんは救済者であると同時に、少年を破滅へと導いていく「悪い女」でもあるのだ。

この作品の面白さは、春日の弱みを握る仲村さんの意図が読めないところにある。本当は春日のことが好きなんじゃないかと推測すれば即座に「勘違いしてんなよゴミクズ野郎」と罵られる。佐伯さんとの恋を喜んでいるようでもあり、不満に思っているようにも見える。

ただ、春日も仲村さんも、そしておそらくは佐伯さんでさえも、このくだらない現実に嫌気がさしているのは確かで、春日が仲村さんに導かれるままに破滅の道を歩むのか、佐伯さんとともに正常な世界へとどまるのかというのがこれからの見所だろう。しかしそんな佐伯さんすらも、「正常な世界」から一歩出ようとしている。

いずれにしても仲村さんは近年のマンガでも希有な「悪い娘」であって、つくづく春日がうらやましい。

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No title

最後、赤裸々になってるんですがw

最新刊はまだ読んでないですが、この漫画は面白いですね。
私の友達はキャッチーな一巻の表紙からすると2巻以降オーソドックスになってしまったと評していますが、
私はまだまだ勢いあると思います。
漫画というメディアで表現するのが適した題材だと思います。

Drar K

さいきん三角関係のマンガが好きなんだけど、これはちょっと異常だよね。この手の男性マンガでは絶対にブレちゃいけないはずの少年がすでに「変態」だし、その影響でまとものはずの佐伯さんが「ストーカー」になっていく。仲村さんにいたっては「脅迫者」だからね。
まともな人間がひとりもいないというw

いわゆる不良少年ものというか「ヤンキー」文化にも入らない、変なマンガだよね。すごく「不健全」というか。いい意味でね。

仲村さんふくめw三巻以降がすごく楽しみです。

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